12月に入り、ようやく季節が冬めいてきた感じがする今日この頃(そうじゃない日もあるが)。ジャズの似合う季節がやって来た。温かい部屋でジャズを聴く・・・贅沢だ。
今回の主役『ジェイ・レオン・ハート』はベーシスト。“大御所”『エディ・ヒギンズ』のトリオでベースを奏でるのはこの人。“ヴィーナス”でベーシストのリーダー作というのも珍しいのだが、やはり実力者だけに“ヴィーナス”としても日本で多くの方に知ってもらいたかったのだろう。(海外では、10以上ものリーダー作を出している)
トリオの編成は、ベース、ピアノ、ギター。『オスカー・ピーターソン』が最初に結成したトリオの編成と同じ。ピアノには、『オスカー・ピーターソン』に後継者として指名された『ベニー・グリーン』、ギターは、名テナー奏者『アル・コーン』を父に持つ『ジョー・コーン』。この3人が織り成すトリオ・ミュージックが実に心地良い。ドラムがなくても全然平気って感じで、フィーチャーされた『レオンハート』のプレイがしっかりとボトムを支え、他のふたりは出しゃばり過ぎず(と言っても前に出る時は出る)、ベース、ピアノ、ギターがバランスよく配された演奏がこのアルバムの最大の聴きどころ。特にそれを感じるのは、2曲目“君住む街で”お馴染みのミュージカル・ナンバーで、3人がほどよく絡みながら、それぞれの張り切ったプレイも存分に堪能できる仕上がりになっている。絶対の必聴ナンバー!アルバム全体としては、リラックスして聴いていただける逸品。
魅惑のジャズ ~ヴィーナス・レコード~vol.30
[ジェイ・レオンハート・トリオ/フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン]
品番:VHCD-78122
発売:ヴィーナス・レコード
価格:価格 1,500円(税込)
JAZZはきっともっとあなたのそばにいます vol.17
[SPEAKING OF LOVE/マリエル・コーマン&ヨス・ヴァン・ビースト・トリオ]
品番:AS-092
発売:澤野工房(アトリエ・サワノ)
価格:価格 2,500円(税込)
澤野になぜヴォーカルアルバムが少ないのかと聞いてみたことがあります。そのときの澤野さんの答えは「ピアノほどヴォーカルの良し悪しがわからんからです」というものでした。自分が本当に良いと思ったものしか発売しないというポリシーゆえの、納得のお言葉でした。それゆえ発売されているマリエルさんやニコレッタ・セーケは澤野さんのお眼鏡に適った、選ばれしヴォーカリストといえるかもしれません。マリエルさんのアルバムとしては、現在3枚のアルバムが発売されています。四つ葉のクローバーが印象的なファーストもお薦めですが、今回ご紹介するのは現在のところ最新作である「SPEAKING OF LOVE」です。3枚ともバックを務めるのは、ご主人であるビーストさんのトリオ。気心が知れたという意味ではこれ以上の組み合わせはなく、小粋なアレンジとつぼを押さえたプレイでマリエルさんの歌を引き立ててくれます。気楽にくつろぎの時間を過ごしたい時に聞きたいならこのアルバムは絶対のお薦め。二人ともレパートリーにボッサをよく取り上げられますが、このアルバムでもタイトル・チューンである「Falando de amor-Speaking of love-」や「Dindi」といったジョビンの曲が特に印象に残ります。ということで次回作は、「シングス・ボッサ」あるいは「シングス・A.Cジョビン」なんて可能性が高いかもです。今からとても楽しみですね。
北大路ビブレ店:油小路
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古典音楽盤見聞録vol.18~「マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」/カラヤン指揮」~
[マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」/
カラヤン指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団 コッソット(Ms)、ベルゴンツィ(T)他
]
品番:POCG-30148(ユニバーサル・ミュージック)
価格:¥\2039(税込)
日本では年度初めが大体どこでも4月なんで日本全体が春には心機一転新しい門出の季節ですが、欧米ではご存知のように9月が年度スタートでございますね。日本で暮らす私どもにはあんまりピンとこないですが、これからどんどん寒くなって日照時間も短くなっていく季節に新年度が始まる、というのはある意味「あぁ、休みが終わってまた勉強が始まるんかあ」という子供たちの心情にピッタリなのかもしれません。ってのは冗談です。ニュースでもやってましたが洋の東西問わず、子供たちは新学期になって友達と再会、新しい学年…とワイワイガヤガヤ楽しそうにしてはしゃいでるのは、やはり同じなんですね。日本と違ってヴァカンスに宿題なるものがないのはホントに羨ましい限りでございますが…。
関係ない世間話をしてしました。というわけでもなく、なんでこんな話題を出したのかというと、あちらの方では音楽業界も当然9月がシーズン・スタートになるからでございます。そのための前フリだったのです。長いマクラ…まるで柳家小三治師匠の落語のようでございます。また脱線してしまいました。で、サッカーもラグビーもシーズン開幕なんですが、音楽好きがワクワクソワソワしはるのがオペラ・ハウスの新シーズンではないでしょうか。ミラノ・スカラ座もパリ・オペラ座もウィーン歌劇場もシーズン・スタートです。さぁ、着飾って劇場へGO!ってなことには中々いかないの現状です。なんてったって歌劇場ってのがまずないんですから。関西圏の方には馴染み深いびわ湖ホールでさえ舞台芸術専用というわけではなく、現在日本で舞台芸術専用の常設小屋ってのが新国立劇場のみという惨憺たる状況ですから、そらオペラやバレエに親しめってのがムリな話ですな。ちょくちょく海外の歌劇場が引っ越し公演をしてくれますが、それがまたべらぼーに高いです。ちょっと名前が知れたところだと〇万円もするのはざらです。不況だ不況だと言いながらこの日本にはそんなにお金持ちがいっぱいいらっしゃるんでしょうか?
んでもって我々庶民はせっかくの素晴らしい音楽をスルー、じゃなくてCDとかDVDで楽しんでやろうってなわけです。最近はDVDもお求めやすくなってますんで数千円で映像作品を自宅で楽しむこともできます。でも大抵のオペラは時間がなが~いんですよね。2時間、3時間以上もする長丁場だったり。そんなことでオペラを挑戦したいけど躊躇しがちな方に私がオススメするのがマスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」です。当作品は上演自体が1時間強とオペラ作品の中では随分短めです。だからって、そんな理由でこの作品をオススメするほど私も短絡的ではありません。このオペラの間奏曲は有名で、よく独立して演奏会なんかでも取り上げられたりしますが、それに代表されるようにこの作品、美しいメロディーのオンパレードです。ほんまです。とにかく冒頭から聴かせます。美旋律の嵐です。どーやら19世紀末の世相を表出するヴェリズモ云々、現実主義が描きだす不条理云々とか学術的にはいろいろあるみたいですし、私だって大学生ん時にヴェリズモ・オペラと島崎藤村の「破戒」を絡めてレポートしたりしちゃいましたが、んな事どーでもえぇから、とりあず聴いてみ下さいっ。
演奏はカラヤン、ミラノ・スカラ座でばっちり。直情的で豊穣な音楽性はカラヤンの指揮によって冴えまくっています。オペラって絵がないと魅力も軽減しがちなんですけど、音楽だけでもぐんぐん引き込まれていきますよ。どうです?聴きたくなってきたでしょ?
三条本店3F:久保
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嗚呼…名盤-15- [アート・ブレイキー/ア・ナイト・アット・バードランドVol.1&Vol.2]
[アート・ブレイキー/ア・ナイト・アット・バードランドVol.1&Vol.2]
品番:32146&32147
価格 各¥1.000(込)
[輸入盤]
品番TOCJ-7081&TOCJ-7082
価格各¥1.700(込)
[国内盤]
1954年2月21日ジャズ史を塗り替えたと言っても過言ではない、ジャズクラブ「バードラン」での最高のライヴを記録したアルバム。俗に言う「ハードバップ誕生前夜の演奏」と呼ばれるこの歴史的ライヴのステージに立ったのは、リーダーのアート・ブレイキーを始め、クリフォード・ブラウン(tp)に、ルー・ドナルドソン(as)、カーリー・ラッセル(b)、そしてホレス・シルバー(p)という当時の黄金クインテット。しかし当時は「ハードバップという言葉も知らなければ、そんなスタイルについてもまったく考えたことがなかった」(ブレイキー談)と、当の本人達はハードバップという事を意識していたことも、言葉すら知らなかったと答えている。しかしこれは紛れもなくハードバップ誕生の産声が聞こえるアルバムであり、モダンジャズの歴史における一つのハイライトと言える名盤でしょう。 アート・ブレイキーのドラミングを始め、メンバー全員が絶好調なライヴは、後に続くハードバップ全盛の時代を迎えても超えることの出来ない、ジャズの熱気が感じられます。この演奏を手本にホレス・シルバーは後に自らのクインテットを結成し、それがやがてジャズ・メッセンジャーズへと発展し、ハードバップ全盛期を迎える点を考えても、この歴史的な夜はジャズの歴史上最も熱く、最も重要な夜だったことは間違いないでしょう。
三条本店:近藤
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名盤の宝庫 FOREVER YOUNG-vol.26-
[アストラル・ウィークス/ヴァン・モリソン]
ASTRAL WEEKS/Van Morrison
品番:WPCR-75419
発売:ワーナーミュージック
価格 :1,800円(税込)
新春架空インダヴュー「ヴァン・モリソン氏に訊く」
—本日はよろしくお願い致します。こちらは日本の新年の祝い酒で、お屠蘇というものです。よかったらお召し上がり下さい。
「(ほんの少し口をつけて)独特だね…。初めて飲んだよ」
—さて、まずお聴きしたいのは、あなたが一体なぜ来日されないのかということです。噂どおり飛行機が嫌いだからでしょうか。とはいいつつ北米には幾度も飛んでいるわけで、そのあたりが我々日本のファンには納得がいかないのです。
「(苦笑混じりに)それについては…まいったな。日本に私の熱心なファンがたくさんいることはよく知ってるよ。そういえば、ジョージィ・フェイムから、『日本に行く度に、ヴァン・モリソンは来日しないのかと訊かれるよ、面倒なのでそろそろなんとかしてくれないか』と言われたことがある。まあ、機会があれば行くよ」
—そうですか…。是非前向きに検討してくれることを願います…。それでは、本題に入らせていただきます。あなたの1968年のアルバム『アストラル・ウィークス』についてお伺いします。
「はい。どうぞ」
—まず、このアルバムが4時間のセッション2回だけで録音された、というのは本当ですか。
「そうだよ。当時私はワーナーと契約したばかりだった。このセッションはほんとに急遽ブッキングされたものなんだ。だから自ずとインプロヴィゼイションの比重が高まることになったんだ。用意されたセッションメンが腕利きばかりだったからこそ出来たことだね」
—本当にここで繰り広げられているプレイヤーたちのインプロヴィゼイションの美しさには惚れ惚れします。こういった手練れジャズメンの起用はあなたが意図したものですか?
「もちろんそうだよ。あの時私が模索していたスピリチュアルな表現は、それまでのブルースやロックのイディオムだけでは描ききれないと思ったんだ。結果あまり前例のない音楽になってしまっただろ? 1968年当時このアルバムはまともに理解されなかったんだよ」
—今でこそ「ロックの名盤」として扱われていますけど、確かに当時はウッドストックに代表される、ああいった季節だし、ゼム時代からのあなたのファンは当然ブルースやソウルのフィーリングの濃いものを期待してたでしょうし。
「そうだね。当時はミュージシャン仲間ぐらいからしか反応がなかったような気がする」
—「ロック」という範疇では理解しきれない内容だからかもしれません。実際、私もコルトレーンやファラオ・サンダースの音楽を聴いた後になって、このアルバムの凄さがようやく体感できるようになりました。ジャズとフォークとブルースをセッションメンとあなたがかき混ぜ、聴く度ごとに違った美しいマーブル模様が浮かび上がる素晴らしいアルバムです。とにかくあなたの恐ろしいほど脊筋のピンと張った歌声には言葉を失います。
「それはどうも。私にとっても、唯一このセッションでしか成し得なかったことというのは多いんだよ。まあ、特別な作品と言えるだろうね」
—歌詞の面白さというか、赤裸々さについてもお伺いしたかったのですが、もう時間が来てしまいました。
「赤裸々な歌詞って、どうせ“cypus avenue”での14歳の娘とのロマンスのことだろ? ノーコメント」
—ですよね。本日はどうもありがとうございました。
※このインタビューは架空のものであり、実在の人物や団体とは関係がありません。
北大路ビブレ:橋口
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『ぶらりギター紀行』第13回
[チャーリー・クリスチャン/ザ・オリジナル・ギター・ヒーロー]
品番:SICP-5052
●すっかりぶらりしすぎた。原点に戻るべく私達がエレクトリック・ギターをアンプに通し、ギター・ソロなるものを弾けるのもこの人のおかげ様である。その名は伝説の天才ギタリスト、チャーリー・クリスチャン。わずか25歳でこの世を去り1930年代後半エレクトリック・ギターの可能性を無限大に広げ、それはジャズ、ブルースの歴史のはじまりでもあった。あらゆるギタリストがリスペクトしている神様的存在で、今耳にしてもそのギターは色褪せておらず古くて新しいと言うか逆に新鮮である。チャーリー・クリスチャンのレコーディング期間はたった2年間でこのアルバムはべ二―・グッドマンとのスタジオ録音。17曲も収録されていてちょっと哀しくてたまらなくお洒落なギター・フレーズに、踊るようなスイング感がステキすぎる。そして泉のように湧きでるフレーズの緊迫感は興奮せずにはいられない。誰もがあんなフレーズが弾けたらと思うはずで、エレクトリック・ギター弾きなら必ず手元に置きたい1枚。耳を澄ましてじっくりと聴いて頂きたい。そこにはジャズ・ギターの原石がたっぷり詰まっている。



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